公道を走るバイクを含めすべての自動車に契約が義務付けられているのが、自賠責保険です。強制保険とも呼ばれるこの保険は、事故に遭った被害者が泣き寝入りしないためにも、最低限の補償が受けられるよう国が設定したもの。限度額は傷害で120万円、死亡で3000万円、後遺障害では14級で75万円、1級で4000万円と定められています。それ以上の傷害、また車の修理費は任意保険を使うことになります。
人身事故と物損事故の両方に対応し、自賠責保険の限度額を超える賠償を負担するのが任意保険です。自賠責保険の損害賠償額は最高120万円ということで、治療費のほかにも通院交通費や休業補償費を加算すると超過することがしばしば。任意保険に加入していない場合は、自己負担となるので任意とはいえ自賠責と一緒に加入すると安心です。
ひき逃げや盗難車、また自賠責保険に加入していない車による人身事故で、加害者から賠償を受けられない場合、被害者は政府の保障事業に請求することができます。これは国（国土交通省）が加害者に代わって、被害者の損害をてん補し、加害者に求償する制度です。限度額は自賠責と同じですが、条件が多少異なるので注意が必要です。
いずれの保険にも、損害賠償請求権の時効が定められています。自賠責保険の時効は、事故翌日から2年、後遺症が残った場合は「症状固定」の翌日から2年、死亡の場合は死亡翌日から2年で、それ以内に請求できない場合は「時効中断書」を提出する必要があります。任意保険の時効は、加害者側の保険に請求するならば3年、被害者側の保険に請求するならば2年です。任意保険は、契約者が事故後60日以内に事故報告する必要があるので気をつけましょう。
さて、皆さんが交通事故治療を受けるならば、どこの医療機関に通いますか？病院、整形外科を最初に思い浮かべる方が多いのかもしれません。しかし、国家資格を持つ柔道整復師が在籍する整骨院では、自賠責保険等による治療を受けることができます。
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