むち打ちは交通事故の追突事故で発症するケースが多いものの、労働災害やスポーツ障害でも起こりうるもの。さらに、整体やカイロプラクティックの不適切な施術でもなりうるというから、そのきっかけはさまざまなところに。衝撃を受けたときに頭と身体の動作にタイムラグが生じることで、筋肉、靭帯、椎間板、そして血管に損傷をもたらすというのがその発症原理です。
さらに転落、出産、手術などでもむち打ちになるケースがあり、単純な外傷で発症するにもかかわらず、従来の頚椎外傷の概念では説明しがたい症状を引き起こし、さらには後遺症を残すというところが、難解な疾患と言われる理由。
レントゲン写真で異常が認められないことが多いものの、脊髄造影の撮影方法により、頚椎椎間板ヘルニアの外側型がむち打ちの原因であるという医師も。さらに最近話題になっているのは、脳脊髄液漏れがむち打ちの原因となるということで、むち打ちの正体は次第に判明しつつある模様。
脳脊髄液減少は、これまで原因が定かでなかった慢性疲労症候群、慢性難治性頭痛、難治性めまい、線維性筋痛症との関連性も指摘されているところ。
同じ刺激を受け続けると、元の状態に戻そうとする自律神経の機能がマヒして、むち打ちになることもあるというから、普段の姿勢を気を付けることも大切という話。まだまだ不可解な部分の多いむち打ち症ゆえ、今後の研究に注目したいところです。