事前認定と被害者請求は、2種類ある後遺障害等級認定の手続き方法です。いずれもこれ以上治療しても症状が改善しないという、症状固定を前提に手続きが開始となります。
まずは事前認定。こちらは加害者の任意保険会社に、等級認定の申請を一任する方法です。主治医に作成してもらった後遺障害診断書を任意保険会社に提出すれば、ほかの資料はすべて任意保険会社が収集して手続きを行います。
しかしお金を払う方の保険会社が、わざわざ被害者の便宜を図って等級が上がるように資料を集めてくれることはありません。適当な等級認定が受けられず、受け取る損害賠償の金額も下がってしまう可能性があるということです。
また等級認定されればすぐに保険金が支払われれうかというと、そうではありません。示談が成立してから賠償金が支払われることになるので、示談の時間の分だけ入金が遅れます。
事前認定の流れです。1、被害者の症状固定、2、主治医が後遺障害診断書を作成、3、被害者が診断書を任意保険会社に送付、4、任意保険会社が損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所に資料を提出、5、損害保険料率算出機構が任意保険会社に認定結果を通知、6、任意保険会社が被害者に認定結果を通知
次に被害者請求です。この場合、被害者が必要な書類を集めて、自賠責保険会社に送付します。資料収集は傷病の程度によって、かなり手間のかかる仕事です。しかしこれを自ら行うことにより、提出資料の内容をしっかり把握することができます。またあまりにも煩雑であるならば、弁護士に依頼することも可能です。
いずれにせよ資料収集を任意保険会社に任せず自ら行うことで、不利な資料も修正して提出できるというメリットが。こうして適切な等級認定が受けられるように推進できれば、適切な損害賠償を受け取る可能性も高くなるというものです。また被害者請求では等級が認定されればすぐに、自賠責保険会社から保険金を受け取ることができます。