交通事故負傷者の約半分を占めるという、むち打ち被害。自動車メーカーとしては、交通事故の予防機能を高めると同時に、起こってしまった事故によるむち打ち被害の軽減措置にも本格的に取り組み始めているということ。
アメリカでは、シートの安全性を高めることによってむち打ちの被害を防ぐべく法律が発効。日本メーカーも多くがアメリカに進出しているゆえ、対応に迫られているところ。しかしむち打ち被害のメカニズムと、損傷を受ける体の部位がいまだ明確でないため、対応が定まらないという次第。
具体的にむち打ちを防ぐ方法として、ヘッドレストを動かす方式、背もたれを動かす方式、そして通常シートにむち打ち防護機能を付加する方式が存在。しかし同じヘッドレストを動かす方式でも、作動条件にバリエーションがあるゆえ、実にさまざまな防御機能があるということに。
またむち打ち被害の実験で用いる人形(ダミー)は統一されておらず、メーカーごとに異なるものを使用しているというのが現状。試験方法を統一して正しく評価すべく、自動車衝撃安全テストであるヨーロッパ新車アセスメントプログラムが、ダミー、試験方法、評価ポイントを統一指定するものとみられています。