交通事故による、むち打ち症のリスクを減らすには、どのような予防策があるのでしょうか。まずは、ヘッドレストの位置です。ヘッドレストの中心が、耳の穴の位置よりも2~3㎝高くなるように調節します。次は、運転中の注意事項です。減速や停車の時には、バックミラーやルームミラーで後続車の動きを確認します。そして最後は、運転中の姿勢です。前かがみにならないよう、座席やシートベルトの位置を調節します。
むち打ち症には、肩や首の痛みを伴う頚椎捻挫型、肩こり、頭痛、吐き気、耳鳴りを伴う自律神経障害型、腕の痛みを伴う神経根損傷型、手足のまひを伴う骨髄損傷型があります。首の痛みのほかにも、吐き気やめまいといった症状が出るのは、首の周辺に密集している自律神経のバランスが崩れるためです。
これらの治療には、頚椎固定具の装着、温熱療法、マッサージや運動療法、内服薬の服用や湿布の塗布があります。首を固定するカラーキーパーを着用して、安静を保つと多くの場合2~3週間で回復します。また温熱療法やマッサージ、内服薬や外用剤の使用とともに、自律神経のバランスを崩さない努力をすることも必要です。
具体的には、ストレスをためない、睡眠を十分とる、首をうなだれた姿勢で長時間の作業は控える、「治らないかもしれない」という不安感を持たずプラス思考で過ごす、ということです。「なぜ私だけ?」という被害者意識、重病感、引っ込み思案になることは禁物。前向きに考えることが重要と言えます。