脳と体全体を繋ぐ、パイプの役割を果たす首には、神経が集中しています。むち打ちによる症状の多くは、この神経を圧迫して発生するもの。よって交通事故に遭っていなくとも、またむち打ち症でなくとも、首の疲労や肩こりといった、むち打ちと同様の症状に悩まされることがしばしば。
いまやパソコンなくして業務が成り立たないという時代において、このむち打ち同様の症状に悩まされる人は激増しています。一見体には楽そうに見えるパソコン作業も、実は首に莫大な負担をかけているということ。というのも、人間は体の筋肉を動かすことによって、血液やリンパの循環を促すため。よって前かがみになったり、首と顔だけが乗り出すような姿勢は、この循環を滞らせて首の後ろの筋肉の緊張を導くことに。したがってこの状態を長時間保持すると、首を疲労状態に陥れることになりかねません。
むち打ち症からの職場復帰が簡単そうに見えるデスクワークですが、実はむち打ちと同じ症状を引き起こす態勢を取るため気を付ける必要があります。首の痛みが緩和され始める時期が、最も注意すべきときです。治りかかって来たからといって仕事に復帰し、通常業務に戻るどころか、休業していた挽回を図るべく、より多く仕事をこなしてしまうと、返って症状を悪化させてしまうことに。
治療中のデスクワークは、専門家に相談して徐々に慣らしていくようにしましょう。突然復帰し、治療を怠るようになれば、治るむち打ちも治らなくなってしまいます。何事も体が資本であることを、忘れてはいけません。