高次脳機能障害とは何か?

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交通事故で負う大きな障害の一つに、高次脳機能障害があります。脳の高次機能とは、認知面(記憶、思考、知覚、学習)と感情面を含む、精神状態を支配する脳の働きのことです。ここに障害が発生すると、仕事や日常生活に支障を来すことが考えられます。傍目には異常がないように見えることから、後遺障害に認定されない場合もあるので、家族の人が気づいてあげることが重要です。

高次脳機能障害の代表的な3つの症状です。1、認知障害は、記憶障害、集中力障害、遂行機能障害に分類されます。2、行動障害は、周囲の状況に合わせて行動できない、複数のことを一度に処理できない、社会生活上の規則が守れないといった症状です。3、人格変化は、怪我を機に自発的行動が見られない、衝動的に行動する、怒りっぽいといった症状。これらの症状が見られると、頭部に受けた衝撃で、高次脳機能障害が発生している可能性があります。

外見上は事故前と変化がないため、発見されにくいものです。また事故によるものか、それとももともとそういう人であったからという判断が難しいことも事実です。しかしこれが後遺障害として残ってしまった場合には、それを証明しなければいけません。それには、脳についての検査所見があること、日常生活に制約があること、事故直後に意識障害があったことなどがポイントとなります。

これらのポイントを押さえた検査、資料を収集して、該当していることがわかるように申請することが、後遺障害の認定には必要です。認定を受けた後も、保険会社が相場通りの賠償金を支払ってくれるとは限りません。また介護が必要、リフォームが必要である場合に至っては、適切な賠償金を受けるべく、専門の弁護士を頼ることも必要となります。

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