通院交通費とは?被害者本人と付添人の場合の違い

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今回の記事のテーマは、『通院交通費の補償内容』です。

前回でもお話したように、交通事故の損害賠償で請求できる項目は治療費だけではありません。

損害賠償として請求できる項目は

  1. 治療費
  2. 付添費
  3. 将来介護費
  4. 入院雑費
  5. 将来雑費
  6. 通院交通費
  7. 器具等の購入費
  8. 葬祭費
  9. 家屋、自動車等の改造費
  10. 弁護士費用
  11. 休業損害
  12. 後遺症による逸失利益
  13. 死亡による逸失利益
  14. 慰謝料

など、非常にたくさんあります。

これらの項目は2つの分類に分けることができ、1から10までは積極損害、11から15までは消極損害と言われます。

※積極損害: 被害者が実際に支払うことになった金銭

消極損害: 交通事故に遭わなければ、将来得られたであろう利益

 

交通事故の被害者の方には、受けた損害に対する賠償をきちんと受けていただきたいです。

しかし、そのためにはそれぞれの項目についての理解が必要でしょう。

今回は、上の項目6の通院交通費についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

通院交通費は公共交通機関だけでなく、自家用車やタクシーを使う場合も認められます。

交通事故の治療を受けるためには、どこかの医療機関に通院することになりますよね。

近所に病院などがあり、徒歩でも通院可能であれば良いのですが、交通機関を使わないと通えない場合もあるでしょう。

その時にかかる交通費は事故に遭わなければ払う必要がなかったものなので、損害に該当します。

 

通院交通費とは、原則として電車やバスなどの公共交通機関を使った場合にかかる金額です。

また、自家用車であれば、ガソリン代や駐車場代などの実費相当額のみが認められます。

※自家用車のガソリン代は、1kmあたり約15円で計算されます。

 

(病院までの距離や他の公共交通機関の利便性なども関係してきますが、)

タクシーを利用する場合は、十分な事情がある時にだけ認められます。

例えば、大腿骨などの骨折により歩行が困難な場合です。

自転車に乗れない高齢者の方が、近くのバス停まで徒歩で行こうとすると30分以上かかり、長時間の歩行が難しいといった場合も認められます。

このように、タクシーが認められるケースが限られていますので、むやみにタクシーを利用することは控えましょう。

 

もし、被害者の方が会社近くの医療機関に通院する場合は、定期券で交通費をまかなえる方がいると思います。

このような場合の交通費は請求することができませんので注意してくださいね。

 

付添人が複数いる場合は1人分以外の通院交通費しか受け取れないことがあります。

看護のために付き添いが必要な場合もあるでしょう。

今度は、付添人の通院交通費についてご説明させていただきます。

付添人が近親者である場合は、本人の損害として認められます。

しかし、認められない場合ももちろんあります。

 

例えば、被害者本人が子供ではなく、また一人で通院ができないほどの怪我ではない場合です。

通院交通費の支払いを決めるのは保険会社であり、被害者の方にも様々な事情があると思いますが、基本的にこのような場合は認められないでしょう。

また、被害者本人が未熟児や高齢の方、生命の危機がある方であっても、付き添いとして認められないことがあります。

それは、被害者に対して、複数人が付き添う場合です。

付添人が一人で十分と判断されるならば、一人分よりも多くの通院交通費を受け取ることはできないことになっています。

 


 

いかがでしたか?

あくまで通院交通費は、必要かつ相当な治療のために通院する時のみが認められます。

 

通院交通費と言っても、ただ通えばもらえるわけでなく、認められる場合と認められない場合があります。

必要以上に病院に通ったり、付添人を増やしても余計にお金がかかるだけですので、そのようなことがないようにしましょう。

 

交通事故施術を受ける医療機関は、病院や整形外科に限っていません。整骨院(接骨院)の通院も可能です。
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