むち打ちというと、首の筋肉を痛める頚椎捻挫だけと思われがち。しかしそんなに単純なものではなく、肩こり、頭痛から吐き気や耳鳴りをもたらす自律神経障害型、腕に強い痛みを伴う神経根損傷型、そして手足が麻痺する脊髄損傷型という症状に分けられるほど複雑なもの。
いずれも交通事故に遭ったその日には何も感ずることはなく、翌日から頭、首、背中、肩に痛みを、そして耳鳴り、めまい、吐き気、食欲不振などといった症状を訴えるケースが多数。また特に首や背中の不快感や、自律神経系の症状は、周期的に表れるという厄介なものなのです。
自律神経は首の周囲に密集しているため、むち打ちで痛める可能性が高いところ。このバランスが崩れると、しびれをもたらす神経障害、耳鳴りや聴力低下をもたらす聴覚障害、嚥下障害や発語困難をもたらす耳鼻咽喉科的障害、回転性めまいをもたらす平衡障害、咬合障害や顎関節痛をもたらす歯科領域障害、そして不安神経症や注意散漫になる神経心理学的障害というように、至る症状は数多く。
むち打ちの症状を、精神的なものだとか気分的なものだと考え、しっかり治療しない人も。むち打ちの症状は、横になると軽減し、立ち上がると頭の重力で症状がはっきり表れる傾向が。症状が改善しない場合は、医師の指示を仰いで適切な治療を受けたいものです。