脳脊髄液減少症患者・家族支援協会というNPO法人の発足

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以前まで鞭打ち症患者支援協会と呼ばれていた団体が、2002年に脳脊髄液減少症患者・家族支援協会というNPO団体を設立。慢性的なむち打ちの症状の原因の一つに、髄液の減少が臨床実験で判明したことを受け、脳脊髄液減少症の啓蒙を目的として立ち上げられました。

 

何らかの衝撃で髄液が漏れることが、難治性のむち打ち症である可能性が唱えられたのは2000年のこと。しかし100名近い臨床データを投稿しても、理解を示す医者はいなかったといわれます。これを機にまずは病態を世間に認知してもらわねば、ということで脳脊髄液減少症患者・家族支援協会が設立され、実用本の発行が企画されるに運びに。

 

出版条件となっていた念願のテレビ放送が叶い、ニュースステーションで取り上げられたものの、多くの医師は賛同するどころか反対意見を述べる始末。ここで動き始めたのは、「これが自分を苦しめている病気だ」と確信した患者側。協会は患者らに、本と検査ガイドラインを記載した会報を持って、地元の医師らを啓蒙するようお願いしたといわれます。

 

その結果、患者の声に耳を傾ける医師が増え、全国的に治療施設が増加。しかし、髄液漏と交通事故の因果関係が認められず、裁判は敗訴続き。これに変化が現れたのは、2006年の参議院予算委員会での質疑応答で、厚生労働大臣がした脳脊髄液減少症への前向きな答弁。病態について、周りの無理解が理解に変わり始めました。

 

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