交通事故の被害者が加害者側に、治療費を請求することができなくなるのは、症状が完治した場合と、症状固定の判断が下された場合です。よって、加害者の保険会社から一方的に、治療費が打ち切られることになっても、それは治療費が請求できなくなる、というわけではありません。
治療費が請求できなくなるのは、まず第一に症状が完治した場合です。症状が改善されれば、もう治療に通う必要はありません。よって、完治後に通ったとしても、その分は請求することはできません。
次にあげられるのは、「症状固定」に至った場合です。「症状固定」とは、これ以上症状が改善されないという状態で、主治医の判断を仰ぐことになります。むち打ち症の場合、事故から６カ月という時期が、目安として考えられています。治療しても、症状に改善がみられない状況であるからして、症状固定後の通院分を請求することはできません。
治療費が請求できなくなるのは、上記2つの事由によるにもかかわらず、保険会社が一方的に見切りをつけて、治療費を打ち切ることがあります。打ち切られると、これまで保険会社が病院に直接していた支払いが止まることになります。治療が継続している途中で、このような事態に陥った場合、健康保険に切り替えて通院を継続することができます。