交通事故でケガをした時に、加害者への損害賠償請求で重要なことは、「治療期間」です。なぜなら、損害賠償の中にある「慰謝料」は、この治療期間が延びれば増大するからです。よって、保険会社は支払いを抑えるために、治療期間を抑えようと働きかけます。それが「治療の打ち切りの申し出を受けた」というような事態を引き起こします。
では治療期間とは、いつからいつまでのことを言うのでしょうか?これは交通事故でケガをした日から、もうこれ以上治療を続けても変化が見られない「症状固定」までの期間です。骨折であれば骨の接合を持って症状固定となり、「症状固定=完治」と思われるかもしれません。しかし骨が短くなってしまったのであれば、これ以上症状が変化しない状態で「症状固定」となり、奇形は「後遺障害」として残ることになります。
交通事故の治療期間の目安は、「DMK136」と言われます。Dは「打撲」で、神経症状や骨折を伴わなければ最短の1カ月。Mは「むち打ち症」で、神経症状を伴うため3カ月。Kは「骨折」で、交通事故では大腿部や骨盤の大きな骨を骨折する可能性があるので6カ月。これが保険会社の設定する「治療期間の目安」です。
しかし実際、保険会社の「治療期間の目安」通りにケガは回復しません。しっかり損害賠償を得るためには、「しっかり必要な治療を受ける」ということが大切です。定期的に充実した治療を受けていれば、保険会社に打ち切りを宣告されても、医師と相談して治療の継続を伝えることもできます。しっかりもらうためには、しっかりとした裏付け内容が必要というわけです。