入通院慰謝料は、入院や通院が必要な辛い痛みを患い、さらに精神的苦痛を負うことに対して支払われる慰謝料です。金額は、入院、通院の長さによって決まります。それでは、慰謝料を多くもらうには、毎日通院した方がよいのでしょうか?
自賠責基準によると慰謝料の計算は、「4,300×対象日数」です。対象日数とは、「治療期間」か、「実際に治療に通った日数×2」のいずれか短い方を採用します。よって治療期間が2か月(60日)の時は、実際に治療に通った日数が30日の時に、もっとも高額な慰謝料「4,300×60=4,300×(30×2)=258,000円」がもらえる計算になります。よって毎日通えば、それだけ多くもらえる、というものではありません。
むしろ毎日通院して、通院回数を増やすことがデメリットになる場合もあります。加害者の自賠責保険会社が支払う額は、治療費、慰謝料、通院交通費などすべてを含み120万円までという上限があります。それ以上は任意保険が負担するため、支出を抑えるべく保険会社は盛んに交渉をしてきます。「過剰診療」と見なす場合は、治療費の打ち切りなどが提案されます。
通院のポイントは、適切な回数と整形外科医の診断を定期的に受けること。交通事故治療の通院は、整形外科を主体に、整骨院や整体院は併用するという形で考えましょう。整形外科で行うのは治療行為で、整骨院や整体院で行うのは施術行為と区別され、支払いに際し、加害者の保険会社から慎重に判断される可能性があるからです。