交通事故に遭ったら、保険会社から損害賠償を請求できるというけれど、実際何を請求できるのか?定義としては、「被害者が損害を受けたもの」と、「事故に遭わなければ、将来受けうるはずだった利益」に対して請求することができます。大きく分けて、「財産的損害」と「精神的損害」があり、「財産的損害」の中は「積極的損害」と「消極的損害」という区分に分けられます。
では実際に「積極的損害」とは何か?これに含まれるのは、入通院の治療費、その際の交通費と、入院雑費などが。医師が付添人の必要性を求めるのであれば付添看護費も請求できるので、人を雇った場合は証明できる領収証の発行申請をお忘れなく。ほかにも、車両修理費、葬儀費用なども、この積極的損害に含まれます。
次に「消極的損害」とは何か?これに含まれるのは、事故のために休業して給与や収入が減少した損害である「休業損害」や、後遺障害によって働けなくなり減収したときに、稼げたであろう金額を一時金として算定した「逸失利益」があります。「休業損害」は、給与所得者は会社からもらう休業損害証明書で、自営業者は所得税確定申告書の控えなどで証明することができます。主婦も家事労働できなかった期間を、賃金センサスの女子労働者の全年齢平均賃金をもとに休業損害として請求できることは知っておきたいところです。
そして最後に「精神的損害」とは何か?これは慰謝料のことで、入院期間、通院日数、そして傷害の程度を考慮して金額が決まる「傷害慰謝料」や、残ってしまった後遺症による精神的な苦痛に対し、一級から十四級まである等級に応じて補償支給される「後遺障害慰謝料」があります。
実際、損害賠償の金額算出は、加害者と被害者の過失割合によって決定されるものです。例えば車同士の交通事故で、加害者の過失割合が70%で被害者の過失割合が30%とされたならば、被害者の損害総額1,000万円のうち加害者は700万円を支払えばよいということに。被害者の過失によって減額される、過失相殺のことも覚えておきましょう。