子供の脳脊髄液減少症で大切なこと

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あまり知られていない、子供の脳脊髄液減少症。脳脊髄液とは、人間の脳や脊髄を満たす無色透明の液。脳や脊髄を衝撃から守る、クッションの働きをしています。しかし、交通事故やスポーツ外傷、また学校生活での事故で、脳内に強い圧力がかかると、脳脊髄液は脳脊髄液腔から漏れ出します。

脳と脊髄の周りを1日に3回循環する脳脊髄液だけれど、減少により圧力が減少する結果、頭痛、頚部痛、めまい、吐き気、倦怠感、腰痛、記憶障害、頚関節痛、胃腸障害、頻尿、脱水症状などに見舞われ、就労不能や不登校を引き起こすことも。ただし、発症早期の場合は、水分をたっぶりとり安静にしていれば回復するケースが多いため、適切な医師への早期受診が必要となります。

では子供が脳脊髄液減少症を発症してしまう原因には、どのようなものがあるでしょうか。交通事故、接触事故、転倒、尻もち、転んで頭を打った、廊下で転倒、ボールが頭に当たった、テニスのラケットが頭に当たった、試合中に友達と激突した、吹奏楽で楽器を強く吹いた、いじめやけんかの暴力など。

脳脊髄液減少症の対処方法には、約2週間の安静と水分補給という保存的加療のほかに、自分の血液を注入して髄液の漏出を止めるブラッドパッチ、人口髄液を注入するアートセレブ注入療法、フィブリン糊パッチ療法などがあります。

でも症状改善に欠かせないのは、家族や学校の先生、そして友達の理解です。頭痛、めまい、吐き気などの症状は、自律神経失調症や偏頭痛などと疑われることもあり、さらにはただの「なまけ病」と言われることも。脳脊髄液減少症の子供たちは、学校に行きたくても行けないのです。

子供がいつもと違う体の症状を訴えたら、保護者は「転ばなかった?」とか「ボールにぶつからなかった?」などと話を聞いてみてください。また脳脊髄液減少症であることがわかったら、担任の先生はクラスの生徒たちにお友達の病気を説明してあげてください。お友達ならば授業のノートをコピーしてあげたり、宿題プリントを届けるなどサポートすることが本人の早期回復につながります。

 

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