交通事故現場で、被害者、および加害者がしてはいけないことは何でしょうか。それは損害賠償の額について話すこと、また即決の示談です。被害者は怪我を負った意識がなくても、数日後に異常が現れて重症に至るケースもあります。また加害者となっても「私が損害を賠償します」といった念書の執筆もいけません。交通事故の場合は、加害者だけでなく、被害者に過失がある場合も多々あります。被害者の怪我や双方の過失割合などが不明なまま、片を付けてしまうのは危険です。
よく加害者が被害者に対し、「警察に連絡しないで」と頼むことがあります。これは過去の違反や事故で受けた点数の累計が、免許停止などの処分を受ける基準数に到達寸前である、という場合が多いようです。しかしこの要望は、よほど軽い接触事故でない限り拒否する必要があります。警察に連絡しないということは、交通事故証明書が発行されないということです。
交通事故証明書が発行されないと、保険が使えません。加害者が自分で払うと言っても、多額になり払いきれなくなることもあります。またそうなったときに、加害者が支払いをストップしても、事故を証明する物がないので、被害者は誰にも訴えることができません。双方のためにも事故が起きたら警察に連絡して、交通事項証明書を発行してもらうのが安全です。
また「加害者になっても、謝ってはいけない」という人もいますが、実際はどうでしょうか。警察を呼んでありのままの事故証明書を作成してもらっていれば、謝ったことが不利になるケースはほとんどありません。逆に明らかに加害者に非があるにもかかわらず頑なに謝らず、「加害者に反省の念がない」と裁判に発展する場合があります。金銭の話はすべきではありませんが、人として迷惑をかけたことに対して謝るのは常識です。