交通事故に遭い首や腰に衝撃を受け、むち打ち症で病院に行った時、「椎間板ヘルニア」と診断されることがあります。後に痛みやしびれ、そしてめまいなどが残れば、日常生活に支障を来すことになります。そうなった場合は、後遺障害等級の認定手続きをします。椎間板ヘルニアも、後遺障害として認定され、損害賠償を請求することができるのです。
では椎間板ヘルニアとは、どのようにして起こるのでしょうか。これは骨と骨の間にある「椎間板」の中身が飛び出して、神経を圧迫することにより、痛みやしびれといった神経症状を起こすものです。椎間板ヘルニアには、頸椎、腰椎、胸椎の3か所で発症しうるものの、交通事故では胸椎椎間板ヘルニアになる可能性はあまりありません。
では頸椎椎間板ヘルニアとは、どのようなものでしょうか。これは背骨の一番上から7番目の骨の間で発症する、椎間板ヘルニアのことです。追突事故などで首に衝撃が加わると、頸部の椎間板が飛び出します。首、背中の痛み、肩こり、腕や指先のしびれと言った症状から、歩行障害や排せつ障害など重症化するケースもあります。
次に腰椎椎間板ヘルニアとは、どのようなものでしょうか。交通事故の衝撃で、腰の椎間板が飛び出すと、足や腰に痛みやしびれが表れます。また重症化すると歩行障害、排せつ障害のほかに、感覚麻痺が生じることもあります。
病院に通っても症状が改善されない場合は、後遺障害の等級認定を受ける手続きに進みます。認定されうる後遺障害等級は、「局部に頑固な神経障害を残すもの」という12級13号か、「局部に神経障害を残すもの」という14級9号のいずれかがほとんどです。
次回は「椎間板ヘルニアは、損害賠償が認められにくい」と言われる原因を説明します。