「むち打ち症では、後遺障害認定してもらえないのでは？」という不安の声を聞くことがしばしば。しかし実際、むち打ち症には、14級9号「局部に神経症状を残すもの」と、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」という認定が下ります。
それでは、この2種類のいずれかが下りる基準は何か？労災の後遺障害の基準や自賠責の後遺障害の認定実務を参考にすると、14級9号が下りる3要件は、1、6カ月以上の通院、2、通院の継続性、3、症状の一貫性を証明する必要があるということ。
事故から6カ月以上の通院が必要である故、6カ月以前に保険会社から「もう治療費を払いません」と言われても、やめてしまってはいけないのです。また6カ月以上通院しているといっても、1カ月に1度程度では「痛くないのでは？」と疑われるところ。最低でも週に2回は通院している必要があります。さらに症状は一貫している必要があり、1か月目に首の痛みを訴え、2か月目に腰痛を訴えるというのでは、後遺障害は認定されません。
そして12級13号となると「頑固な神経症状」を証明するすべく、痛みやしびれの原因となる神経圧迫の異常所見を示す、レントゲン、CT、またはMRIが必要となります。なかなか素人には難しい専門分野なので、認定申請に際しては、交通事故後遺障害の専門家に相談するのが賢明といえます。