痛み止めを服用して安静にしている、交通事故直後のむち打ち急性期を過ぎたら、今度はリハビリである理学療法に入ります。理学療法にはストレッチなどの運動療法と、牽引などの物理療法があります。今回は物理療法の中の、頸椎牽引、温熱療法、そして電気療法をみていきましょう。
頸椎牽引とは、器具を用いて首を引っ張る治療法のこと。急性期のうちにやると、かえって痛みが増すこともあるので、開始時期の見極めが大切です。牽引をすることによって、1、頸椎の固定、2、椎間板内圧、椎間関節にかかる圧の減少、3、頸椎のストレッチという効果が期待されます。
温熱療法とは、患部を温める治療法です。加熱方法としては、ホットパック、パラフィンパック、マイクロウェーブなどがあります。患部を温めることによって、1、血流の促進、2、鎮痛作用、3、筋肉の痙攣軽減といった効果が期待できます。
電気療法とは、電気で神経を刺激することにより、痛みの感受性を変化させる治療法です。これによって、鎮痛効果が期待できるといわれます。
理学療法の目的は、「軟部組織の治癒促進と、炎症の緩和」です。治療とその効果については、患者によって千差万別。効果がない場合、また満足を感じない場合は、速やかに治療方法を切り替えることが勧められます。「むち打ち治療にはコレ!」という、決定的な治療方法があるわけではありません。医師や専門家と相談しながら、治療を進めることが必須です。